物語分析8号室

物語を分析して、糧にするブログ

華氏451

 

すべての本が処分される、ディストピア小説。主人公は本を燃やす仕事である消防士。自分の仕事に誇りを持っていた主人公が、一冊の本を手に入れたことから、本にのめり込み、その人生が変わっていく。

 

 


本がないとどういうことになるのか。それは真実が受け継がれなくなる、ということ。消防士、というのもいつの間にか違うものになっていた。伝聞だと都合のいいことしか受け継がれないという設定はそれなりに説得力があっていいと思う。あとピンチの連続なので、そこは飽きさせずにずっと面白かった。うまくいく、と見せかけて相手の思う坪だったり、ただ主人公が馬鹿をしてピンチになるという場面が多々あったのでそこは賛否がでるのかなあ、と思う。
図書館戦争を読んでみたいな、とも思った。似たような設定の中でどのような違いを作っているのか気になる。

 

 



 本の所有者の家を本ごと燃やすところから始まる。そして主人公はそんな仕事をしている人。またクラリス、という隣人と合ったことから自分のしていることへの疑問が浮かび上がり次第に本をこっそり集め、読むようになる。


 次第に神経が摩耗し、体調を崩す。そこに上司がやってきて、主人公のことを察する。自分も昔本を読んだことがあることを告白し、いかにそれがくだらないことなのかを諭す。
主人公は以前出会った老人のことを思い出し、会いに行くことにする。その人は本を愛し、密かに本の出版を企てていた。主人公もそれに加担するとともに、上司をも仲間に加えようとする。しかし上司には一切通じず、逆に論で返されてしまう。そこでまた本の所有している家が通報されそこへ向かうことへ。しかしそこは主人公の家だった。


 家を自ら燃やした主人公だが、上司に刃向かい、終いには上司も一緒に燃やしたため、指名手配される。老人から聞いた、本の知識を携え放浪している集団に加わることに、今後彼らの知識が必ず必要となるときが来ることを信じる。



 戦争がおこり街が壊され歴史がまた無くなる時がきた。彼らが必要とされる時がきたところで終わる