物語分析8号室

物語を分析して、糧にするブログ

ブロントメク!

 

地球から惑星アルカディアに移民してきたケヴィは、船艇所を経営していた。しかしアルカディアは人工減少が著しく、危機を目前としてた。そんななか大企業ヘザリントン機構が惑星を買収し、惑星の危機を救おうとする。

 

簡単に言うと企業買収が惑星規模になった話だ。このアイデアがすごい。これだけでワクワクする。しかも地球じゃないから変な生物や、異星人やらも出てきても全然問題なし。
 機構に賛同するもの、反対するもの、どっちつかずのもの、様々な思惑を抱えながら、機構と関わることによって原住民たちは変化をしていくことになる。
 ひとつバレバレの情報が最後まで明かされない。中盤あたりで明かしてもよかった気がするけど、この辺はどうなんだろうか。明かさないから、これってあれでしょ、っという思いが終始頭をよぎるので、正直邪魔だった。これ以外は大変良くて、飽きなかった。結末も以外だったし、一度読んでもいいと思う。物足りない部分としてもっと主人公のケヴィを掘り下げても良かったと思う。彼が地球で何をしていたのか、どうしてアルカディアに移住することになったのか、などがあればもう少し感情移入できた気がする。

 

ざっと物語

 

 アルカディアは人口が減少していき、このままだと惑星で住むことができなくなるほどの危機に面することになっていたが、そこへ大企業ヘザリントン機構が買収の話を持ちかける、アルカディアは承諾し、惑星はヘザリントンの物となる。賛同するもの、反対するもの、どっちつかずなものがいる中でヘザリントンとの争いが耐えない。
 そんな中アルカディアのPR事業として手伝うことになったケヴィはそのキャンペーンガールの美女スザンナと恋に落ちる。
 ヘザリントンの買収目的は惑星の発展ではなく、惑星の土地を使い麻薬の栽培をすることだった。しかし、その麻薬の栽培は最初はいいが、少しずつ麻薬の効果が薄いものが作られることがわかったので、ヘザリントンは撤退することに。そしてヘザリントンが持ってきた生物、アモーフも撤収する。このアモーフは近くの人が求める理想の姿をする生物で、スザンナもアモーフであり、ヘザリントンとともにアルカディアを離れることに。
 ケヴィは再び地球に戻り、スザンナのモデルとなった人と会おうとするところで幕を閉じる。

 

1、買収されたことによる原住民たちの生活の変化や、仕事の放棄、反発など
2、PR事業による船での世界一周の出来事
3、ケヴィとスザンナの恋
この三つを軸に話が進んでいく。そのため始終飽きさせない構造となっていて、そこに関わるキャラも面白い。