物語分析8号室

物語を分析して、糧にするブログ

バードボックス

 

見てはいけない。その何かを見てしまうと自害してしまう、というなぞの現象が世界各地で起きる。主人公は二人の子供を連れ、無線で連絡が取れたところに向かうが。それが起こった過去と現在を交互に描きながら恐怖と主人公の変化を描き出す。

 

ネトフリオリジナル作品

 状況説明なしで、なんか大変な状況になっている、というところから始まる。スタートで引き込ませる、という良いお手本のようなものだった。子供にはめちゃくちゃ注意してるし、なぜか目隠ししているし、そしてボートで川下り。すでに面白い。発想の勝利と言える。
物語的には別に特別なものではなくて、ほかのパニックホラーものとそこまで大きな違いはないけれど、一つの発想だけでここまで面白くなるのか、と感心してしまった。
 ネトフリオリジナル映画。海外ではバードボックスごっこ、なるものが流行るなどなかなかの有名作品です。ネトフリの映画ってどのくらい予算を掛けられるのか知りませんが、こういった空間がある程度限定させられる物とは相性がいいのかもしれない。
 日本にはこういったパニックホラーものって全然ないイメージ。日本はどうしても見せたがる。呪怨にしろ、貞子にしろ、背景もちゃんとあって、姿もある。海外のはよくわからないけれど、大変なことが起きた、みたいな。その辺は宗教と関係あるのだろうか?日本がこういうのを作れるのか興味があります。

 

ざっと物語

 


子供二人をつれた女性が3人で川下りをしてある場所に向かうところか始まる。絶対に目隠しを外してはいけないなど子供に激しく注意をして、全員が目隠しをして家から出てボートに向かう。
話は発端の5年前に戻り、主人公の女性が絵を描いてるところに妹がやってきてニュースを伝える、自害する人が別の国で大量発生し大変なことになっていると。その後二人で一緒に病院へ。主人公は妊娠しており、もうすぐ生まれそうなのだ。しかし病院で例のニュースと同じような自害者が発生、急いで病院から出ると、街全体がパニック状態になっていた。車で逃げる彼女たちだが、妹が何かを見たらしく自害することに。彼女は近くの家に逃げ込み同じように逃げてきた人と共同生活することに。
 とある病院から逃げ出した人たちがいるらしく、彼らはなぜかそれを見ても平気なようで執拗に外を見るように誘うらしい。そんな人が主人公の家に紛れ込んでいたらしく、彼女とあともう一人の女性の出産時に反抗を及ぶ。彼女と男性と子供二人を残しほかは自害や殺される。しかし残った男性も後に脱走者たちに殺される。
5年後の彼女は無線で連絡が取れたところへいこうとするが、試練を強いられながらもなんとかその場所へたどり着く。そこは盲目者の病院施設で、多くの人が幸せそうに暮らしていた。そして親になることを反発して名前をつけなかったか彼女が最後に名前をつけて膜を閉じる。


ざっと書くとストーリーはたいしたことないけど、その見せ方が良い。基本的には現在でなぜこうなったのかという謎を出し(なぜボートに乗って川を下るの?目隠ししてるの?その子供はなに?父親は?なぜこんなことになったの?など)、5年前の出来事で謎を答える、ような感じが交互に続くので、常に興味を持たせられる構図となっていた。
 昔はこういうパニックホラーって根本的なところは解決されないのが嫌いだったけれど、今では楽しめる。あくまでパニックホラーの部分はおまけのようなもので、そこに関わる人間の物語を観る、というところに気がついたからかもしれません。